誰にも言えない思いがけない妊娠をしたあなたへ
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EN >妊娠しちゃったみたいだけど、病院にかかるお金がないし、母子手帳もないし…という困った状況にあるときの対策はこちらです。
まず、妊婦健診や出産で自分で支払う額を減らすために、「住所、保険、母子健康手帳」をゲットしましょう。
※住民票を実家の住所にしていて近いうちに実家へ戻る予定という場合は、妊婦健診のときの領収書を取っておくと、後で住民票のある市区町村から払い戻しができます。
住所どころか住むところがない!という場合 ~生活保護~
友だちの家やネットカフェなどを転々としている、家出してもう家族とは縁が切れてる、
彼と同棲していたけど別れて家なし生活・・・などという状況で、自分でアパートを借りる余裕もなく困っている場合、
もしくはアパートはあるけど妊娠して働けなくて家賃が払えない場合などは、住民票にある市区町村役場か、
これから先の生活をしていく場所にある役場の福祉課、または福祉事務所で困っている状況を伝えて相談してください。
条件が合えば生活保護が受けられます。
※生活保護は長く受けることを前提とせず、出産後落ち着いたらきちんと就職して働く意思を表明し、資格や技術を持つなどして自立する気持ちがあることを積極的に伝えましょう。
窓口で「簡単に生活保護を考えず、若いからがんばって働きましょう」などと促されることがあるかもしれませんが、
妊娠中からの再就職やハローワークでの登録は実際難しいので、産後は働く意思があることをはっきり伝えて申請しましょう。
窓口では、申請をしたという証明になる「生活保護申請書」を渡すようにしましょう。
書式や必要となる書類は、自立生活サポートセンターもやいの「生活保護申請ガイド」を見て準備しておくとよいです。
詳しくはこちら
生活保護申請用書類はこちら
・法テラスを利用する
もしも自分でうまく説明することが難しいとか、一人で行ったけど取りあってもらえなかったという状況であれば、「法テラス」に相談してみることをおすすめします。
ホームページはこちら
・あなたも使える生活保護を読む
生活保護申請の同行支援もしている日本弁護士連合会によるわかりやすいパンフレット「あなたも使える生活保護」も読んでみてください。相談窓口のリストも載っています
詳しくはこちら
妊婦健診や出産の費用には健康保険は利きません。でも、妊娠中になんらかの治療や薬が必要になった場合、保険証が必要となることがあります。
国民健康保険の保険料をずっと払っていない場合、役所の国民健康保険の窓口へ行って困っている生活状況を説明して相談しましょう。保険料の滞納期間によって対応がちがいます。
保険証があれば、出産育児一時金として50万円が病院へ直接支払われます(病院で直接支払制度の手続きが必要です)。
しかし、病院によっては、出産費用が50万円をはるかに超えることもあるので、受診する前にだいたいの分娩費用を病院のホームページや電話で確認しておきましょう。
※親の扶養家族になっている場合は、そのままその保険証を使うことをおすすめします。出産育児一時金が支払われると親に出産がバレることになるかもしれませんが、国民健康保険の「本人」となるには毎月保険料の支払い義務がありますし、出産までに親が協力的になる可能性があるかもしれません。
住所のある市区町村の保健所・保健センター、または役所・支所でもらえます。
しかし、事情があって住所のある自治体に住んでいない場合でももらえることがありますので、まずは、あなたがいる自治体に相談してみましょう。
母子健康手帳と一緒にもらえる「妊婦健康診査受診票(補助券)」があれば、これからの妊婦健診の自己負担額がずいぶんと減ります。
※検査項目や保健指導などによっては自己負担となることがあります。
毎回の妊婦健診で補助券をオーバーする額が多くて支払いが大変な場合、「経済的に大変なので、エコーや検査は最少限にしてもらえませんか?」とこっそり伝えてみましょう。
・母子健康手帳のもらい方
住所のある市区町村の保健所・保健センター、または役所で「母子健康手帳は自己申告でももらえますか?」と聞いてみましよう。
自己申告でOKなら直行して母子健康手帳をもらいます。
しかし、もし「まずは産婦人科にかかって医師の書いた「妊娠届出書」を持ってきてください」と言われたら、自費で産婦人科にかかる必要があります。
経済的に初めての受診が難しい場合
妊娠して初めて産婦人科にかかる場合、いろいろな検査をすると5000円~2万円以上かかることがあります。
もし保健所・保健センター等で「まずは医師の書いた妊娠届出書を持ってきてください」と言われたら、「経済的に産婦人科にかかるのが難しいので、先に母子健康手帳をもらえませんか?そうでないといつ受診できるかわかりません・・・。」と事実を話してみましょう(うそはダメですよ)。
柔軟に対応してくれる自治体もあります。
もしかたくなに「まずは受診しないと母子健康手帳は渡せません」と言われたら
※「助産施設」に指定されている医療機関や、民主医療連合(民医連)に加盟している医療機関は費用が比較的安く、院内にいる医療ソーシャルワーカーさんが相談に乗ってくれたりもします。あなたの住む場所の都道府県名+助産施設で検索してみてください。もし助産施設一覧を見つけられなければ、保健所・保健センターや役所の福祉の窓口で聞いてみましょう。
入院助産制度
出産の費用が負担できない苦しい状況にある場合、「入院助産制度」の利用により指定の助産施設で無料または少額の自己負担で出産できます。対象となる方は以下です。役所の福祉の窓口で申請してみてください。
何らかの病名がついて治療が必要な場合は保険の適用となります。 長期の入院や、帝王切開で医療費の自己負担が高くなりそうな場合は、『限度額適用認定証』を病院の窓口で提示すると、負担額が「自己負担限度額 までで済むようになっています。 市区町村民税が非課税の場合には、自己負担限度額がさらに軽減される『限度額適用・標準負担額減額認定証』が交付されるので、 もし医療費が高額になりそうな場合は、あらかじめ保険の窓口で「限度額適用認定証を申請しておきましょう。 この限度額は月ごとの額なので、入院期間が翌月にまたがると使えない場合があります。
妊娠をして悩んでいる女性に対して、経済的支援により安心して産んでもらうことを目的としている団体で、相談窓口も設けています。 非課税所帯・低所得所帯を対象として、出産費・健診費(必要な場合には、出産後の養育)の一部を貸付しています(原則として、一妊婦一回限りの申請で10万円が限度額)。
男性も責任と誠意を!
思いがけない妊娠をして、その妊娠や出産を免れなくて思い悩むのは女性ですよね・・・。 相手の男性が何の責任も取らずに逃げてしまうことがありますが、それは本来してはいけないことです! これから仕事をすることが難しくなるあなたの身体や経済面を考え、経済的に援助してくれるよう話し合いをして書面で契約するのがベストです。 相手の男性が必ずしも父親として「認知」をしなくても、妊娠中や出産、その後の子育てにかかる費用の負担をすることで誠意を見せてくれるといいですね。 妊娠は決して女性だけの責任ではなく、どちらかというと男性の責任が重大ですから・・・。 相手の男性が拒否してややこしい話になりそうなら、弁護士が相談に乗ってくれる近くの「法テラス」へ相談することもおすすめします。 ホームページはこちら